100年の計

欧米先進諸国に見る教育政策は、実に巧みに富裕層に有利に展開している。欧米先進諸国の教育費は日本に比べて随分高い。例えば、大学における教育費を比べると、日本の4倍近い費用がかかる仕組みになっている。このような教育機関で、学べるのは、富裕層または、高額な奨学金が支給される、本当に優秀な学生だけだ。ある意味、今までの日本の教育政策はまだ、庶民にも優しかったのかもしれない。

さてここで、日本国民が今回の教育大改革をむかえ、しっかりと注視しなくてはならないのが、北欧をはじめ、子どもの教育費を政府が支えている資本主義国家である。彼らは、20世紀初頭においては、欧米列強にその名こそ連ねていなかったものの、21世紀に入り、その教育制度が実を結びつつあり、小規模ながら、現代のこの混沌とした国際社会において、落ち着いた成長ぶりを見せており、国民の幸福感も全体的に浸透してきている。それは、資本主義を基盤とする過度な成果主義に対応した教育政策をとることをせずに、「人間社会の幸福度」を優先した教育政策を辛抱強く展開してきたからだ。

私たちも、教育の目的を見誤ってしまえば、いかに経済的に大発展しようとも、その輝かしい光の陰で明日の希望すら見えない、貧しい市民や、自分の人生の意味を考える暇もあたえられないマシンのように働く市民であふれる社会で生きるはめになりそうだ。